災害時に直接的な被害を避けることはできても、
その後の持病の悪化などライフラインの途絶関係以外が
原因となり亡くなることも多くあります。
そして、その9割弱を占めるのが66歳以上となります。
〈災害関連死の例〉
・避難中の車内で74歳女性が、疲労による心疾患で死亡。
・78歳男性が、地震後の疲労等による心不全で死亡。
・83歳女性が慣れない避難所生活から肺炎状態となり、
入院先の病院で死亡。
・32歳男性が、地震による疲労が原因と思われる交通事故による死亡。
・43歳女性が、エコノミー症候群の疑いで死亡。
・88歳男性が地震による栄養障害及び持病の悪化等により死亡。
・83歳女性が地震のショック及び余震への恐怖が原因で、
急性心筋梗塞により死亡と推定。
これらは全て、「災害関連死」といって
災害そのものが直接的な死因でないにも関わらず、
災害により生み出された環境や状況が死因となってしまうことを指します。
〈避難所における男女共同参画の重要性〉
問題は高齢者のみに留まりません。
災害時には、やはり女性の負担が大きいというのが現状です。
・赤ちゃんに授乳をするための場所がなく、壁に向かって授乳をしていた。
・生理用品を、男性担当者から手渡しされた。
・女性専用の物干し場がなく、下着を干すと盗まれるので、生乾きのまま着替えた。
・夜に屋外の仮設トイレへ行くのが怖いので、
行かなくても済むように水分を取るのを我慢していた。
トイレを男女別にする、プライバシーを保護するといった
「被災者としての⼥性」への配慮だけでなく、
女性に対する相談窓口を開設する、女性に対する暴力防止措置を講じるなど
「⼥性視点での運営」の実現も大切なのです。
このような観点から、非常時という際限ある環境下でも
何が必要で、どんな事に配慮をすべきか
多様性配慮を忘れないことが重要となるのです。
そしてその配慮は公的機関にしか解決できないものなのか、
それとも私たち被災者が対策できるものなのか
それを考え、備えることもまた防災なのです。