特定外来生物に指定されているナガエツルノゲイトウ。
(ナガエツルノゲイトウは特定外来生物に指定されており、発見された場合は自治体窓口にお問い合わせください。)
強い侵略性をもっている植物で非常に高い再生力を持っている植物。
水田に入れば稲の生育を妨げ、農業被害に繋がり、
風や水流で茎が切れれば塊のまま流され、水利施設を詰まらせて水害を引き起こす恐れがあるという。
そんな被害を少しでも減らすために外来種ナガエツルノゲイトウに立ち向かう「いなみ野式遮光シート工法」開発者である
エコロジー研究所の丸井英幹先生に今回はお話をお伺いしました。
ナガエツルノゲイトウというのは、
ナガエツルノゲイトウはヒユ科に分類される南米原産の多年草で
川や池の水底に根を張り、水上に茎や葉を伸ばす抽水植物と呼ばれる水草に分類されますが、
乾燥にも強く陸地でも生育するというすごくタチの悪い植物。
実際にナガエツルノゲイトウを見せていただきましたが、
その茎はストロー状でわずかな力でも節から簡単に切れるからこそ切れた茎は水に浮きやすく、
河川や水路で下流に流れ、流れ着いた場所でマット状の群落を形成し、分布域を拡大。
そのため、今その繁殖にいろんな自治体が頭を悩ませているそう。
根を死滅させるには約2年〜3年ほどかかる。
だからこそ、早期発見・早期対策が重要になるようです。
それに加えて丸井先生が研究して対策になると見つけたのが、【ナガエツルノゲイトウ対策遮光シート】
遮光率100%の「ナガエツルノゲイトウ対策遮光シート」は、
大面積に分布したナガエツルノゲイトウの光合成を阻止して枯らす駆除方法。
完全に根っこから駆除しないと直径2mmの根が残っているだけでも再生し、
1ヶ月で30cm、1年で5mと成長も早く繁殖力も強いからこそ成長に合わせた対策が必要になります。
草刈りという選択は切断茎からでも再生し、あっという間に繁殖するため、
茎の破片が散らばってかえって繁殖につながってしまいます。
手作業で抜くのが安全ですが、広範囲となると重機などで行うことしかできなくなってしまい、
結果として採りきれなかった断片によって拡散を促進させてしまいます。
もちろんそういったことをしてからでないとできないこともあるそうですが、
そんな時に出会ったのが、友人から紹介されたこの塩化ビニールのシート。
通常の防草シートだと遮光率が足りず、水や空気を通したりすることから繁殖を続けてしまいますが、
シバタ工業の【ナガエツルノゲイトウ対策遮光シート】が
遮光率100%であることを独自に測定して確認したのだそう。
シバタ工業のこのシートは実は別の用途で作られていたものだったそうで、なんて運命的な出会い。
水域施工では空気と水を通さない仕様なので土壌条件によっては腐敗させることも可能で、
さらに腐敗時に発生するガスを逃すことができる施工方法を採用することで
遮光シートが膨らまずに長期間の設置が可能。
また、陸域施工でもシートが黒いので夏場陽の当たるところではシートが高温になり、
シートに当たるナガエツルノゲイトウを熱枯死させることができます!
水域でも陸域でも使えるこのシートは大活躍。
また、シート同士を貼り合わせる時に使用する粘着テープや
杭打設の際にできる隙間を防ぎシートの補修材にもなる粘着層付加硫ゴムテープを
一緒に使用することで遮光効果を維持できます。
繁殖力が強いからこそそこまでしないと対策できないことを知り、
こうして遮光シートを張るだけで駆除できるというのは研究の賜物だなと感じました。
現在、ナガエツルノゲイトウは農林水産省でも大変問題視されており、
いろんな取り組みを行っています。
そんな対策の1つとして、このシートが活躍すれば被害もなく、景観も守られる。
これからもこのシートが活躍することで「地球上で最悪の侵略的植物」に打ち勝つ日も近いかもしれません。
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