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今年の3月で東日本大震災から13年目を迎えても、今なお考えなければならない問題がたくさんある

毎年、愛知県で開催される「中部ライフカードTEC2023」に、
この度出展されていた東日本大震災・原子力災害伝承館 企画広報課の渡邊さんからお話をいただき、
取材を通して、震災や復興についての貴重なお話を伺うことができました。
伝承館は2020年9月の福島県双葉町に開館した震災の教訓を伝承する施設です。

伝承館の皆さんは、
4年前から毎年、内閣府主催の「ぼうさいこくたい」にも出展しており、
その4年前に初めて出展した「ぼうさいこくたい」の開催地が名古屋であったというのも、
何か不思議なご縁を感じました。
今回はそのような縁もあり、お話を聞かせていただくことになりました。

愛知県は防災、特に水害や地震に対する関心が高いというイメージを持っているというお話をしてくださいました。
私は愛知の大学に進学し、愛知での1人暮らしも4年目になりましたが、
「大きな地震や災害が起きてしまったら自分の身をどのように守るのか」について、
深く考える機会がなく、今回改めて考えることができました。

2011年3月11日に発災した東日本大震災では、実に多くの人の命が失われました。
福島県では、東京電力福島第一原子力発電所事故が起きたことにより、
地震と津波だけでなく、原子力災害からの避難が必要でした。

宮城県の東日本大震災における地震や津波による直接死が約1万人であるのに対して、
福島県での直接死は約1,600人。
その一方、宮城県の東日本大震災による
災害関連死が1,000人以下に対して、
福島県での関連死は約2,300人。
そしてこの数字は現在も進行形で増えているのです。

放射線から身を守るために避難所を転々とする必要があり、自分の故郷を追われ、
平穏な日常生活を奪われ、また何時故郷に帰れるかもわからない状況に追い込まれました。
この数字を聞いて、福島の人々にとってそのようなダメージが
肉体的にも精神的にも非常に大きかったことが私にも伝わってきました。

この3月で震災から13年の月日が経とうとしておりますが、
私の想像していた復興には程遠く、未だに福島には立ち入り禁止区域が存在し、
バリケードが設置されている区域も存在するとのことでした。

震災後に愛知へ避難した人々で現在も愛知県内に住んでおられる人は年々減少していたものの、
数年前からは殆ど変化がなく、現在でも480人近くの方が愛知県内で暮らしています。
他の都道府県に避難された方々と同様に、避難している期間が長くなるほど、福島へ戻ってくる人が少なくなるのが現状。

また、震災当時5歳程度であった現在の高校生の間では、震災の記憶がほとんどないとも言われています。
戻ってくる人が少ない理由のうちの1つに、進学を避難先ですることによって、
周囲との交友関係も長く強固なものになり、
「あらためて福島に戻る」「あえて環境を変える」という選択が取りにくくなってきてしまうというお話も。

確かに12年間も避難先で過ごせば、生きてきた人生の半分以上を福島県外ですごすことになるから、
愛着が湧くのもごく自然なことです、
だからこそ、避難先での生活を選ぶ方々の意志は尊重しつつ、一方で「地元である福島に戻りたい」という方々が、
安心して福島に帰ることが出来る仕組みづくりは急務といいます。

そんな震災の記憶が風化していると言われている中、
誰もが危機意識を持って生活していく為には、事実と教訓を伝え続けていかなければなりません。

伝承館は、写真やデジタルコンテンツを多く使用することで、当時の状況をよりリアルに伝え、
臨場感たっぷりに、心に残る学習ができる施設です。
10年以上経ってしまうと、避難した先での環境や交友関係もあるため、福島へなかなか戻れない現状はありますが、
このような学ぶ場を作りながら、次の世代への伝え続けていくということが、とても大切なことであると感じました。

今回の取材を経て、福島の復興には長い年月が必要であるが、
1人でも多くの人に福島の現状を知ってもらい、
自分たちの地域でも「いつ起こるか分からない」という危機意識を持って生活していくことの大事さや、
万が一の災害が起きた際、「自分はどのように行動して自分の命を守っていくのか」を改めて考え、
周りと共有することで、自分だけでなく大切な人の命や、
自分が住む地域を守っていくことができると感じました。

東日本大震災・原子力災害伝承館のHPはこちらから 

 

Writer:ヒロヤマモモコ(Nagoya/https://www.instagram.com/momoko.sj?igshid=OGQ5ZDc2ODk2ZA==

 

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