先日開催されたぼうさいこくたい2022に参加し、
「足紋」について取材し、足紋採取の体験をさせていただきました。
皆さんは、東日本大震災から11年経った今でも、
身元不明のご遺体は53体にも及ぶということを知っているでしょうか?
災害時、ご遺体が発見されてすぐに家族のもとへ帰れるケースばかりではありません。
自分の家族が生きているのか亡くなっているのかも分からない、
目の前のご遺体が家族なのかも分からない、
そんな状況が現実におきています。
「分からない」を減らすことが、
災害でいろんなものを失ってしまった人々をこれ以上苦しませない1つの方法です。
少しでも早く帰れるように、
遺族が必要以上に苦しまないように、「足紋」を広めている方々がいました。
一般的なご遺体の身分確認方法は、指紋、歯型、DNAとなります。
どの方法も災害時では完全ではないそうです。
指紋は犯罪歴のある人のデータしかなく、
歯形は通院先のカルテが必要です。
DNAは家族が存在する人に限ります。そこで「足紋」です。
足紋とは足の裏に見られる、指紋のような皮膚の凹凸のことです。
足紋にはその人独自の特徴が1000点以上あり、そのうちの7点が一致したら本人確認ができます。
セキュリティなどに多く利用されている指紋では、
プライバシーの意識により全国民が登録することは難しいと考えられるため、
セキュリティ等で使われていない足紋での登録が有効的です。
また、靴下や靴で保護されている点、
皮膚が分厚いため損傷しにくい点、面積が広い点でも有効的といえます。
足紋は災害時だけでなく、
認知症の方が徘徊したときなどの身元確認にも使えます。
高齢化が進む現代には、実用的な制度だと感じました。
ぼうさいこくたいのブースで足紋採取の体験をさせていただきました。
コピー機のようなものに10秒ほど足を載せるだけで簡単に採取できました。
全ての作業を通しても2分かからないくらいで完了したので、
全国民の採取も難しくないのではないかと感じました。
これをきっかけに多くの人に足紋を知ってもらい、
実用化されてほしいと強く思いました。